年次有給休暇の取得状況

厚生労働省が2019年10月に発表した就労条件総合調査によると2018年の年次有給休暇取得率は52.4%と前年から1.3ポイント上昇しています。取得日数は平均9.4日で大企業ほど取得率が高くなっています。

労働者側も自分の仕事が大変になったり職場に迷惑がかかったりするというためらいも取得が進まない原因になっているようです。厚労省は2020年に取得率7割を目指すとしていますが目標には遠く、2019年4月からの働き方改革の一環で年5日の有給休暇取得義務付けがされました。

取得促進のための各制度

年休は原則1労働日単位での取得ですが、各社で決まりを作っておけば良く、半日年休も60%以上の企業が利用していますし、計画年休も35%が導入しています。

それぞれの特徴を見てみます。

半日単位年休・・・労使間の合意により半日年休制度を設け、半日単位で与えることも可能です。年休を半日単位で付与するにあたって就業時間のどの時刻で前半と後半に分けるかは労使合意により決めます。

時間単位年休…年次有給休暇は労使協定により年5日までは時間単位で付与することができます。従業員はプライベートな用事に充てることもでき小刻みに休みをとることで仕事が溜まってしまうということもないのでありがたいのですが、企業側は時間管理の手間がかかる事もあるのでシステムなどと連携が必要かもしれません。

計画年休制度・・労使協定に基づいて企業側で計画的取得ができるもので一斉に又は部署ごとに夏季、年末年始休暇などに合わせて設定もできます。各人の付与日数の5日を超える日数について計画的に取得してもらうことができます。

働き方改革の年休時季指定・・2019年4月から働き方改革の一環で休暇が10日以上付与されている従業員に年5日の有給休暇を時季指定しなくてはならなくなりました。本人が自分で取得した日や計画年休もこの5日に含まれるので5日以上取得している方は対象ではありません。この時季指定を今まで本来休業日であった休暇に変えて5日の有給休暇に充てるのは法の趣旨に反するので労使でよく話し合って協定を交わし、就業規則に載せるのが良いでしょう。

*******************************************

年次有給休暇の付与には、企業の事業特性に応じて、複数の付与方法が認められています。

半日・時間単位の付与

年次有給休暇は日単位取得が原則ですが、半日単位で年次有給休暇を付与できます。

また、労使協定の締結を条件に時間単位での年次有給休暇を付与も可能です。ただし、時間単位での年次有給休暇付与は、年5日を限度としています。しかし、分単位の年次有給休暇は認められていません。

年次有給休暇の半日、時間単位での付与は会社制度により実施できますが法的な義務ではありません。

計画的付与

計画的付与とは、事業主があらかじめ休日を指定し、その日を有給休暇として付与する方法です。

夏季や年末年始に年次有給休暇を付与して大型連休とする、ゴールデンウィークの前後を指定して大型連休とすることは年次有給休暇の計画的付与にあたります。
有給休暇取得が義務化となった現在では、計画的付与は年次有給休暇の消化率を向上させる効果的な手段として注目が高まっています。

年次有給休暇の計画的付与の対象は、付与日数のうち5日を除いた残りの日数です。
計画的付与の導入は「就業規則への明記」と「労使協定の締結」が必要です。

5日の有給休暇取得が義務化

2019年4月から年10日以上の年次有給休暇を付与する事業主は年次有給休暇の日数のうち、年5日は時季を指定して取得させることが義務づけられました(時季指定を利用する場合は就業規則への規定が必要)。
また、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければいけません。

 

【参考】厚生労働省 年次有給休暇の付与日数
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf