チケット寄附金控除とふるさと納税の違い

コロナ対策税制の一つで「国が認定したイベントチケットを払い戻さない場合は税の控除が受けられる」という制度ができました。

寄附金控除といえば、地場の特産品がお得に貰えるというふるさと納税が人気です。

ふるさと納税は「個人の所得や控除によって決まる上限金額」より年間のふるさと納税額が低ければ、基本自己負担は2,000円で済み、それ以外は住民税や所得税が減額されるというのが特徴です。

チケット寄附金控除に関しては、ふるさと納税だけに許されている住民税をたくさん引いてくれる控除がないため、自己負担は2,000円とはいかず、税を引く額は最大でもチケット代金の50%程度になります。

ふるさと納税では適用できない、所得税の「認定NPO法人等寄附金特別控除」が利用でき、所得税率に依存しない減額になる仕組みです。

ふるさと納税控除上限に影響しない?

細かな計算を省略すると、ふるさと納税の上限は「個人住民税(税額控除前)所得割額の2割強」となります。

チケット寄附金控除は基本所得税部分(所得控除を選択適用可)も住民税部分も税額控除で、ふるさと納税の自己負担が2,000円で済む控除上限金額の計算式に作用しないため、ふるさと納税の上限が低くなることはありません。

ただし、年間の寄附総額(チケット+ふるさと納税+その他の控除を受けられる寄附)が総所得の40%(住民税は30%)を超える部分は、寄附金控除自体が受けられなくなるため、実質ふるさと納税が自己負担2,000円では済まなくなる可能性がありますが、個人の所得の3割以上を寄附に費やすというのは、あまり考えられることではないので、大半の方は「チケット寄附金控除とふるさと納税は別モノで特に干渉しない」と考えてOKです。

両方の控除手続には注意が必要

ふるさと納税には、「確定申告しない」「年間で5か所以内の自治体への寄附であること」が条件のワンストップ特例申請制度があります。

この制度を使えば確定申告をしなくて済みますが、対してチケット寄附金控除は「確定申告が必須」となっていますから、チケット寄附金控除を受ける場合には、ふるさと納税のワンストップ特例制度が利用できなくなります。ご注意ください。

※株式会社エムエムアイが運営する当事務所所属のデイリーコラムより抜粋。所属士業の先生方が執筆しています。(リンク)

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文化庁・スポーツ庁
チケットを払い戻さず「寄附」することにより、 税優遇を受けられる制度が新設されました。
https://www.mext.go.jp/sports/content/20200409-mxt_sports1-000006401_1.pdf

皆さんが応援するチーム・アスリートや今も力を与えてくれるアーティストなど、文化芸術・スポーツに関わる方々を応援したい、そんな 「想い」 を支える新しい税制が始まりました。新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止等した文化芸術・スポーツイベントの 新型コロナウイルス感染症に関する政府の自粛要請を受けて、ファンの間に感染が広がる最悪の事態を避けるため、それまで全力で進めてきた準備をすべて投げうち、苦渋の決断で開催を中止等した文化芸術・スポーツイベントが数多くあります。
中止等された文化芸術・スポーツイベントについて、チケットの払戻しを受けない(放棄する)ことを選択された方は、その金額分を「寄附」と見なし、税優遇(寄附金控除)を受けられる新たな制度を創設しました。

国税庁「認定NPO法人に寄附をしたとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1263.htm
平成23年以後に個人が認定NPO法人等(注1)に対して寄附金を支出した場合には、支払った年分の所得控除として寄附金控除の適用を受けるか、又は次の算式で計算した金額(その年分の所得税額の25%相当額を限度とします。)について税額控除の適用を受けるか、いずれか有利な方を選択することができます。

総務省「ふるさと納税の概要」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000254924.pdf
控除イメージ 30,000円寄附した場合
【所得税】所得控除による軽減
(30,000円-2,000円)×20%(※2)=5,600円
【個人住民税】税額控除(基本分)(※3)
(30,000円-2,000円)×10%=2,800円
【個人住民税】税額控除(特例分)
(30,000円-2,000円)×(100%-10%-20%(※2))=19,600円
特例控除は所得割額の2割を限度
※2 所得税の限界税率であり、年収により0~45%の間で変動する。なお、平成26年度から平成50年度については、復興特別所得税を加算した率となる。
※3 対象となる寄附金額は、所得税は総所得金額等の40%が限度であり、個人住民税(基本分)は総所得金額等の30%が限度である

総務省「ワンストップ特例制度」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/topics/20150401.html#block02
確定申告の不要な給与所得者等がふるさと納税を行う場合、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄附金控除を受けられる仕組み「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が創設されました。特例の申請にはふるさと納税先の自治体数が5団体以内で、ふるさと納税を行う際に各ふるさと納税先の自治体に特例の適用に関する申請書を提出する必要があります。