学資金に係る非課税範囲の見直しの改正

会社が従業員の教育の為、学資金(講習や講座の費用等)を支払った場合、状況に応じて課税される場合と非課税の場合があります。原則役員や従業員に支給する学資金は「給与その他の対価の性質を有するもの」で給与として課税されます。

平成28年4月より給与所得者がその使用者から受け取る学資金は通常の給与に加算して受け取るものは非課税と扱われることになりました。

平成28年4月の改正点

役員に対する学資金や従業員の配偶者に対する学資金は通常の給与に加算して受け取るものであっても従来通り給与課税とします。役員に対する学資金や配偶者や親族等に直接払われている場合にも役員や従業員本人に対する給与として課税となります。非課税となるのは通常の給与に加算して受け取るものに限られます。通常の給与に代えて給付されるものは課税となり、学資金の支給を受けている従業員の配偶者や親族がその企業の従業員でもある場合特段の事情が無い限り非課税として扱われます。給与に加算して学資金が払われた場合であって次の事例を考えてみます。

例題1

中高年者の早期退職者の再就職や自営を行う為に役立つ資格や技術を習得する場合。退職する前の教育は業務の為直接必要な資格、技術が目的ではないので非課税でなく給与所得になります。退職後に支給が確定するものは退職に起因して支払われるものでない為退職所得にはなりません。又、退職後の仕事に役立つことを目的とした受講料支払いでなければ助成ではなく雑所得扱いです。

例題2

次に若手従業員に自己啓発を推進する為のパソコン講座費用、事業拡大を目的としたアメリカに派遣する為に事前に英会話を研修させる場合を考えてみます。パソコン講習は自己啓発であれば会社の業務に直接、寄与するものでないので本来本人負担であるものは給与所得となります。非課税となるものは会社が事業拡大でアメリカに派遣する従業員に英会話を習得させる等は会社の業務の為直接必要な知識を習得するものに該当し適正な額であれば非課税です。

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所得税基本通達、学資金に係る非課税範囲の見直しにより一部改正

~平成28年4月1日以後給付されるものから適用~1) 平成28年度税制改正の概要

奨学金など、学資に充てるために給付される金品(学資金)は、原則として非課税所得として扱われるが、学資金であっても「給与その他対価の性質を有するもの」は、給与課税の対象となる(所法9①十五)。

平成28年度税制改正で、この「給与その他対価の性質を有するもの」から「給与所得者がその使用者から受けるもので、通常の給与に加算して受けるもの」が除かれることとなった。つまり、使用者から支給を受けていても、「通常の給与に加算して受けるもの」であれば、所得税は非課税となる。

ただし、役員に対する学資金や、従業員の配偶者や親族等に対する学資金は、通常の給与に加算して受けるものであっても従来どおり給与課税の対象となる。

この改正は、平成28年4月1日以後給付される学資金に適用される。

職務に必要な技術などを習得する費用を支出したとき(平成27年4月1日現在法令等)

役員や使用人に、仕事に関係のある技術や知識を習得させるための費用や学校の授業料などの学資金を支給する場合があります。
この場合には、支給したこれらの費用が一定の要件を満たしていれば、給与として課税しなくてもよいことになっています。

1 技術や知識の習得費用

技術や知識の習得費用は、次の三つのいずれかの要件を満たしており、その費用が適正な金額であれば、給与として課税しなくてもよいことになっています。

  1. (1) 会社などの仕事に直接必要な技術や知識を役員や使用人に習得させるための費用であること。
  2. (2) 会社などの仕事に直接必要な免許や資格を役員や使用人に取得させるための研修会や講習会などの出席費用であること。
  3. (3) 会社などの仕事に直接必要な分野の講義を役員や使用人に大学などで受けさせるための費用であること。

2 学資金

学資金を支給する場合には、役員と使用人ではその取扱いが違います。
役員や使用人に学資金を支給する場合には、原則としてすべて課税されます。
しかし、使用人本人が通学している高校までの学資金を支給する場合で、その修学のための費用として適正なものは、役員又は使用者である個人の親族のみをその対象とする場合を除き、給与として課税しなくてもよいことになっています。
したがって、大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校の学資金を支給する場合には、上記1に該当するものを除き給与として課税されます。

国税庁HPより