年間10万人超の介護離職者

内閣府の「2015年版高齢者社会白書」によると2011年10月から2012年9月までに介護や看護を理由とする離職者は10万1千人もいたそうです。

離職や退職をした内訳は男女とも50代と60代が7割を占めています。企業にとってはベテランで必要な方が抜けてしまう事があるかもしれません。この問題は団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年以降に顕著になると言われています。厚労省は法改正や助成金の新設、拡充で対策に取り組もうとしています。

法の整備で休業を取りやすく

企業としても人材確保の面から今後の法改正の内容や助成金を利用した社内の就業環境整備を検討されているところもあるでしょう。法改正では今までの介護休業制度の93日以内の連続取得1回では使い勝手が悪いと言う事で利用率を上げる為に来年1月からは3回までの分割取得もできるようになります。介護される対象家族も非同居、非扶養の祖父母や兄弟姉妹、孫にも拡大します。介護休業給付金の支給率も8月から現在の休業前賃金の40%から67%に引き上げられます。

両立支援のための制度作り

社内で介護休業取得者が出た時の為にどのように準備しておくのが良いでしょうか。

①介護保険制度の概要や現在の介護支援制度の説明、周知・・介護休業を利用出来る場合や要件、介護休暇や短時間勤務制度についての説明等、自治体の地域包括支援センター等の相談先を知らせる等を行う。

②介護をしている従業員にはヒヤリングやニーズ調査を実施・・社内体制の検討材料にもなり、他の従業員には目標管理の面接時の時等に介護休業の予定の有無等も確認します。

③現在の介護支援制度の運用や拡充の検討

・・制度設計や運用の方法

④両立支援取り組みの周知と意識改革・・制度導入の説明に加えて社内の周囲の人や管理職の意識改革も必要となるでしょう。

利用する人が事情に合わせて柔軟な勤務ができれば「人材確保」に繋がっていくことでしょう。

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企業に求められる従業員の仕事と介護の両立支援への取組 02 ~介護離職を予防するための両立支援対応モデル~

企業に求められる従業員の仕事と介護の両立支援への取組には、以下の5つがあります。 本章では、これら5つの取組の具体的な内容について、企業の事例を交えながら解説します。 5つの取組を進める際に活用できる「お役立ちツール」もあります。

1.従業員の仕事と介護の両立に関する実態把握 2.制度設計・見直し

3.介護に直面する前の従業員への支援

4.介護に直面した従業員への支援

5.働き方改革

 

「介護離職を予防するための両立支援対応モデル」の各取組の概要

1.従業員の仕事と介護の両立に関する実態把握 従業員が抱えている介護の有無、仕事と介護の両立に必要な自社の介護休業などの制度や公的 な介護保険制度などの理解度に関する現状を、主に従業員に対するアンケート調査を実施するこ となどにより把握します。実態把握は、自社の仕事と介護の両立支援を進める上で出発点となるも のです。

 

2.制度設計・見直し 上記1のアンケート調査などによる実態把握をふまえて、介護休業など自社の両立支援制度を「法 定の基準を満たしているか」「従業員に周知されているか」「利用要件がわかりやすいか・利用手続 きが煩雑でないか」「従業員のニーズに対応しているか」などの観点から点検し、課題があれば見直 しましょう。

 

3.介護に直面する前の従業員への支援 従業員に対して、仕事と介護の両立に関する心構えや基本的な情報を、社内研修の実施やリーフ レットの配付などにより提供します。介護は、子育ての場合と異なり、直面する時期を予測することは難しいので、従業員が介護に直面してから仕事と介護の両立に必要な基本的な情報を提供する のではなく、従業員が介護に直面する前に、直面しても離職しなくて済むような、情報提供などの 支援を行うことがきわめて重要です

 

4.介護に直面した従業員への支援 介護に直面している従業員に対して、自社の両立支援制度の利用支援、相談しやすい体制の整備、 地域の介護サービスの利用支援などを行います。

 

5.働き方改革 介護のために時間制約のある従業員であっても、離職せずに就業継続できることに加えて、仕事 に意欲的に取り組めるような職場環境や働き方をめざします。残業時間の削減や年次有給休暇の取 得促進、仕事上の情報共有、お互いさまと支援し合える職場風土づくりが大切です。 1~5の取組は、取組の成果や課題を把握しながら、継続して実施することが大切です。 次頁より、具体的な取組内容や取組事例などをみていきましょう。

厚生労働省

平成27年度 仕事と介護の両立支援事業 介護離職を予防するための仕事と介護の両立支援対応モデルより