平成27年4月に国会で閣議決定された

改正基準法案の中に「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設があります。残業時間の規制にかからない業務とされているその内容は

①職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1千万円以上)を有する労働者の高度専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に健康確保措置等を講ずる事、本人の同意や会社の決議等を要件として労働時間、休日、深夜の割増賃金などの規定を適用除外にする。

②制度の対象者について在社時間が一定を超える場合には事業主はその人を医師による面接指導を受けさせなくてはならないこととしています。(安衛法の改正)

改正法合意文書案

この内容について現在は当初案に修正案が追加され、対象は年収1075万円以上の金融機関のディラーや研究開発職等を労働時間の規制の対象外とする高度プロフェッショナル制度について、労働界の求める長時間労働対策を盛り込んで修正しています。修正案では年間104日以上、週4週4日以上の休日を与える事も義務付けています。

ア、退社から出社するまでの間に一定の休息時間を設ける勤務間インターバル制度

イ、労働時間の上限設定

ウ、2週間連続の休暇の取得

エ、一定条件下での臨時健康診断の実施等いずれか複数の措置を義務付けます。又、対象を営業職全般に拡大されるものではないとしています。

連合等の動き

連合は今年の7月11日に民進党の政調会長と会談し条件付きで政府案を受け入れる修正案を了承していましたが7月28日には「高度プロフェッショナル制度に関する政労使の合意を見送る方針」を発表しました。

連合は労働時間の上限規制と裁量労働制の拡大は1本化で考えたいとしています。

まだ成立には時間はかかりそうですが、今回の労基法の改正は働く人の健康を確保しながら多様で柔軟な働き方の実現をする事が趣旨である事は変わらないでしょう。

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4 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設 時間ではなく成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズに応え、その意欲や能 力を十分に発揮できるようにするため、一定の年収要件を満たし、職務の範囲が明確で高 度な職業能力を有する労働者を対象として、長時間労働を防止するための措置を講じつつ、 時間外・休日労働協定の締結や時間外・休日・深夜の割増賃金の支払義務等の適用を除外 した労働時間制度の新たな選択肢として、特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフ ェッショナル制度)を設けることが適当である。

なお、使用者代表委員から、高度プロフェッショナル制度は、経済活力の源泉であるイ ノベーションとグローバリゼーションを担う高い専門能力を有する労働者に対し、健康・ 福祉確保措置を講じつつ、メリハリのある効率的な働き方を実現するなど、多様な働き方 の選択肢を用意するものである。労働者の一層の能力発揮と生産性の向上を通じた企業の 競争力とわが国経済の持続的発展に繋がることが期待でき、幅広い労働者が対象となるこ とが望ましいとの意見があった。

また、労働者代表委員から、高度プロフェッショナル制度について、既に柔軟な働き方 を可能とする他の制度が存在し、現行制度のもとでも成果と報酬を連動させることは十分 可能であり現に実施されていること及び長時間労働となるおそれがあること等から新た な制度の創設は認められないとの意見があった。

(1) 対象業務 ・ 「高度の専門的知識、技術又は経験を要する」とともに「業務に従事した時間と 成果との関連性が強くない」といった対象業務とするに適切な

 

性質を法定した上で、 9 具体的には省令で規定することが適当である。

・ 具体的には、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの 業務(企業・市場等の高度な分析業務)、コンサルタントの業務(事業・業務の企画 運営に関する高度な考案又は助言の業務)、研究開発業務等を念頭に、法案成立後、 改めて審議会で検討の上、省令で適切に規定することが適当である。

(2) 対象労働者 ・ 使用者との間の書面による合意に基づき職務の範囲が明確に定められ、その職務 の範囲内で労働する労働者であることが適当である。

・ また、対象労働者の年収について、「1年間に支払われることが確実に見込まれる 賃金の額が、平均給与額の3倍を相当程度上回る」といったことを法定した上で、 具体的な年収額については、労働基準法第 14 条に基づく告示の内容(1075 万円) を参考に、法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で規定することが適当である。

・ 労使委員会において対象労働者を決議するに当たっては、本制度の対象となるこ とによって賃金が減らないよう、法定指針に明記することが適当である。

(3) 健康管理時間、健康管理時間に基づく健康・福祉確保措置(選択的措置)、面接指導 の強化 <健康管理時間> ・ 本制度の適用労働者については、割増賃金支払の基礎としての労働時間を把握する必要はないが、その健康確保の観点から、使用者は、健康管理時間(「事業場内に 所在していた時間」と「事業場外で業務に従事した場合における労働時間」との合 計)を把握した上で、これに基づく健康・福祉確保措置を講じることとすることが 適当である。  以下略

 

労働政策審議会労働条件分科会 今後の労働時間法制の在り方について【報告】より