単純労働にも外国人受け入れか

今後本格化してゆく日本の少子高齢化や人口減少による人手不足解消の為の外国人労働力の受け入れを検討している自民党の「労働力確保に関する特命委員会」では外国人労働力の受け入れの拡大を提言しています。

今までは原則として、大学教員や経営者、高度専門的技術者等を受け入れてきましたが同委員会では建設従業員の「単純労働者の受け入れも必要に応じて認めるべきだ」として容認し、政策の転換を求めるとしています。

又、日本人と報酬を同じにする等の仕組みについて提言し在留期間を当面「5年間」とするとも言っています。但し、政府内で統一定義の無い「移民」については「入国時に在留期間の制限の無い者」と独自の定義を示しこの問題には踏み込まない方針です。

外国人労働者数過去最高

厚生労働省発表の「外国人雇用についての届出状況」(平成27年10月)によると外国人労働者数は90万7千人台と前年比15、3%と過去最高です。

特に建設業について昨年4月に「建設分野における外国人人材の活用」について閣僚会議が行われ復興事業の加速、2020年の東京オリンピック・パラリンピック等の関連施設整備等の一時的な建設需要の拡大に対応する為、緊急かつ時限的な措置として即戦労となる外国人の活用推進の方針で平成27年4月から対象となる外国人在の受け入れを開始しました。

労働力不足の解消なるか

今後2020年代には介護分野で25万人、建設分野で77万人から99万人の労働力が不足するとの推計があります。外国人労働力を明確な労働力として受け入れるようになると人数が益々増えると予想されます。今後は外国人労働力を新たな人材として採ってゆくことも検討材料になるかもしれません。法改正の動きに注目しておく事が必要でしょう。

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「共生の時代」に向けた外国人労働者受入れの基本的考え方

平 成 2 8 年 5 月 2 4 日

自 由 民 主 党 政 務 調 査 会

労働力確保に関する特命委員会

1 従来の政府の基本的考え方 これまでの外国人労働者の受入れに関する政府の基本的考え方は以下のとおりとされてきた。

・ 専門的・技術的分野の労働者は積極的受入れ(受入枠等の制約なし) (雇用対策法第 4 条第 1 項第 10 号、第 9 次雇用対策基本計画(1999 年)、第 5 次出入国管理基本計画(2015 年) ・ いわゆる単純労働者の受入れは十分慎重に対応 (第 9 次雇用対策基本計画)

2 従来の政府の基本的考え方の問題点 ○ 専門的・技術的分野の労働者以外の労働者は「いわゆる単純労働者」とし、 その受入れについて慎重に対応するということが政府の方針とされてきたが、 「いわゆる単純労働者」という用語については、「単純労働者」について明確 な定義がない中で、外国人労働者の受入れに消極的な意味合いの用語として使用されてきた。

今後の外国人労働者の受入れの議論に際しては、このような「単純労働者」 という用語を使っていくことは不適切であり、この用語を用いずに考え方の整 理をしていくべきである。

○ 専門的・技術的分野の労働者以外の労働者を「いわゆる単純労働者」としてその受入れについて慎重に対応するとしてきた政府方針の根拠は第9次雇 用対策基本計画であるが、既に 2007 年の雇用対策法改正により、雇用対策基 本計画の策定に関する規定は削除されていることから、そもそもの考え方に 疑問があり、このような考え方は採るべきではない(※1)。

※1 専門的・技術的分野の労働者以外の労働者に係る考え方についての現下の閣議 決定としては、日本再興戦略改訂 2015 における、「経済・社会基盤の持続可能 性を確保していくため、真に必要な分野に着目しつつ、中長期的な外国人材受入れの在り方について、総合的かつ具体的な検討を進める。

このため「移民政策と 誤解されないような仕組みや国民的コンセンサス形成の在り方などを含めた必要な事項の調査・検討を政府横断的に進めていく」しか存在しない。

3 これからの外国人労働者の受入れについての基本的考え方 ○ 専門的・技術的分野の労働者は引き続き積極的に受け入れるべきである(受 2 入枠等の制約なし)。

ただし、何が「専門的・技術的分野」であるかについて は、社会の変化にも配慮しつつ柔軟に検討する。

○ 上記以外の労働者について これまでもオリンピック等に伴う人手不足対策のための緊急対策としての 建設・造船分野での受入れをはじめ、製造業における子会社等従業員の受入れ、特区による外国人家事支援人材の受入れなど、必要性があるものについては受入れを進めてきたが、それが十分であったとは言い難い。

加えて、現在でも外国人労働者の増加が続く中で、今後、人口減少が進むこと、介護、農業、旅館等特に人手不足の分野があることから、外国人労働者の受入れについて、雇用労働者としての適正な管理を行う新たな仕組みを前提に、 移民政策と誤解されないように配慮しつつ(留学や資格取得等の配慮も含め)、 必要性がある分野については個別に精査した上で就労目的の在留資格を付与して受入れを進めていくべきである。