人手を確保するのに必要なこととは

景気の緩やかな回復基調の中で有効求人倍率が上昇傾向にある中、特に中小企業の多くで人手不足が常態化する事が予想されます。

厚労省の「今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施)の調査結果が発表されました。

調査結果から見て「今後どのような企業の求人が充足されやすいか」と言う視点から企業が労働条件や職場環境等の改善に取り組む事と労働生産性や業績の向上との関連を見てみました。

調査結果のポイントは

①「従業員満足度」と{顧客満足度}の両方を重視する事が重要である。・・経営方針として顧客満足度を重視する企業は多いが従業員満足度を上位に掲げる企業は必ずしも多くなく両方を経営方針として掲げる事が望ましいとされています。

②雇用管理改善に継続的に取り組むこと。雇用管理改善とは評価、キャリア支援、ワークライフバランス、女性活用、ビジョンの共有、トラブル解決の仕組み、人材マネジメント等が従業員の意欲や生産性向上につながる。これを実現してゆくのは効果が出るまである程度の時間が必要である。早期に取り組んだ企業は、社員の質や量も確保できているとする割合が増えている。

③行政による企業の様々な認定、表彰などの制度があり、その利用によって雇用管理改善をすることは効果があるという結果が出ている。

若者の人材を定着させるには

改善の取り組みの中で労働時間の短縮、有給休暇の取得促進、働きやすい職場作り等は特に若者の定着に効果があるとの調査結果が出ています。

また若者が社内で相談しやすい、意見を出しやすい体制や、賃金、評価の見直しの効果が出ているとの複数回答がありました。

雇用管理改善は、目標を設定し一歩、一歩取り組み、情報発信してゆくことが大事で、何年か先を見据えて進めて行くことが必要です。

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「今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業」報告書 ~企業の雇用管理の経営への効果~ 平成28年3月

 

I 事業の概要

【趣旨・目的】 近年、景気の緩やかな回復基調に伴い、有効求人倍率が上昇傾向にある中において、特に 中小企業の多くで人手不足が常態化することが予想される。

では、今後、どういった企業の 求人が充足されやすいのか。企業が労働条件や職場環境等の改善に取り組むことが、労働生 産性や業績の向上に結びつくことについて関連性を把握し、雇用管理改善等による有効なミ スマッチ解消のあり方について検討することを目的に本調査研究事業を行う。

 

※ここでいう「雇用管理改善の取組(雇用管理に関する施策や取組)」とは、以下のような ものを想定している。(本事業のアンケート調査 問 20 で尋ねている。) <評価・キャリア支援>

(1) 専任の人事担当者を設けている

(2) 働きぶりを評価し昇給や昇進に反映する仕組がある

(3) 社員への人事評価結果とその理由をフィードバックしている

(4) 社員一人ひとりの育成計画を作成している

(5) 管理職の評価項目に部下育成への取り組みを含めている

(6) 正社員以外の従業員について働きぶりを評価する仕組みがある

(7) 正社員以外の従業員から正社員への登用制度がある

(8) 正社員以外の従業員に能力開発の機会がある <ワーク・ライフ・バランス、女性活用>

(9) 全社的に残業削減に取り組んでいる

(10)年次有給休暇の取得を促進している

(11)フレックスタイム制や短時間勤務制等の柔軟な労働時間制度を導入している 2

(12)在宅勤務、サテライトオフィスなど柔軟な勤務場所を設定している

(13)女性の採用拡大や登用促進など、ポジティブ・アクションを推進している <その他人材マネジメント>

(14)朝礼や社員全体会議での会社のビジョンを共有している

(15)従業員の意見を吸い上げて改善・改革に結びつける仕組みがある

(16)職場の人間関係のトラブルを解決する仕組みがある

(17)新人に育成担当や相談者(メンター)を付けている

(18)社員が仕事や配属先の希望を出せる仕組みがある

 

II 調査結果からのメッセージ ※この組合せに注目したのは、企業が成長を続けるには、顧客のニーズにあった製品・サービスの提供が重要で あるが、同時に、企業の競争力の維持・向上には、従業員の能力発揮が重要(技術力の源泉も従業員が重要)であり、そのためには従業員の働きがい、働きやすさを高めることが大事だと思われるからである。

本調査の分析 ではこうした作業仮説に基づき、企業の経営方針について顧客満足度重視と従業員満足度重視の組み合わせに着目した類型化を行い、顧客満足度、従業員満足度を両方とも重視する企業の方が、他に比べて業績がよく、雇用 管理改善を進めており、従業員の意欲等も高いのか(人事目標達成か)について分析を行った。  以下略

 

厚生労働省HPより