資産除去債務とは

工場を解体・撤去した後に残土から公害物質を取り除くことが法律で義務付けられており、大きいものだと原子力発電施設の解体で発生する放射能を含む資材を適切に処理するように法律で義務付けられています。

身近なものですとオフィスを賃借した後退去する際に、原状回復費用を負担することが契約書に書かれていることがほとんどです。

これらの費用について発生時にその金額を見積もって、あらかじめ計上しておく負債を資産除去債務といいます。

ポイントはそれらが法令や契約で要求される法律上の義務であることです。会計上はこのように法的に確定した債務を確定債務と呼びます。

その計上時期

上記の例ですと、実際に残土処理をする、又は原状回復費用を支払うのは、工場の解体時やオフィスからの退去時ですが資産除去債務の計上はそれより前に行います。

つまりあらかじめ取得や使用によって義務が生じた時に計上します。

退去時に敷金から差し引かれる原状回復費用は、契約時つまり法律上の義務が発生した時に債務を計上します。金額を合理的に見積もることが求められますが、合理的に見積もることができない場合には、それができるようになる時まで債務の計上を遅らせます。

見積計上した後もその金額を変更すべきであれば随時調整します。

会計処理方法

資産取得時に負債は資産除去債務を計上し、同額を固定資産の取得原価に追加します。減価償却によって毎期費用化されます。

賃貸オフィスの原状回復費用は契約時に見積計上し、使用期間にわたって費用化していきます。見積額の変更に伴う調整差額は変更を行った期に損益計上し、退出時や撤去時の実際金額と見積額との差額は除去費用に計上します。

ただし、税務上は損金として一切認められませんのでご留意ください。

資産除去債務は発生主義に基づくので支出時でなく発生時に計上します。発生時は取得または使用時なので除却よりも前に見積と費用処理をする必要があります。

 

以下の会計基準の内、31以降に会計処理の方法が記載されています。

https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/aro.pdf