適年廃止後の退職金制度はどうなってる?

長期勤務に対する報賞と理解されている退職金制度ですが、中小企業の多くが利用してきた税制適格年金制度(適年)の廃止から7年あまり、この制度を導入していた企業は「中小企業退職金共済制度」(中退共)へ移行した企業が一番多かったようです。

又、平成26年度の法改正でそこから5年で多くの厚生年金基金は解散してゆくことになっていますので、ほぼ解散したことになります。厚生年金基金を退職金の一部にしている企業ではこの対策も考える必要がありました。

退職金制度のメリット・デメリット(いい面、悪い面)

退職金は企業と従業員の労働契約により支払われる賃金制度の一部です。そうならば給与や賞与で払えば退職金は支払わない選択もあるでしょう。

その分給与水準を高くし、月々の給与に退職金額を上乗せした前払い退職金制度にしているところもあります。

但し社会保険料が上がり、毎月の給与額も時間と共に当然と感じてしまう、給与を高くした意味が薄れる事もあり得ます。

厚労省の調査によると従業員30人以上の企業では7割5分が退職金制度を導入しているそうです。

導入のメリットとしては、良い人材の確保のしやすさ、長期的勤務推進策、定年や早期退職の円滑化策、不況期の雇用調整、従業員の不法行為の制御、退職者の競業避止義務や守秘義務の対価として等があります。

従業員側は退職後の必要費用を賄う、企業への満足度の高まり、入社時の決定理由、長期勤務がメリット、税制上の優遇措置等があります。

一方デメリットとしては経営状態に関わらず一時的に多額の支払いが生じる事があるので決算や資金繰りに悪影響を与える事があります。また、運用悪化等があれば積立額のチェックも必要になります。

退職金の資金準備

複数の退職者が一度に発生すると企業にとって退職金の負担は大きくなり、多額の現金が必要になることは資金繰りを悪化させることもあります。

予め手当てしておくことは大切です。どこに資金をプールするかと言うと先の調査では社内準備約6割強、中退共約4割、特退共やその他が少しあります。

社内準備は銀行と生命保険の利用があります。人手不足時代の今、人材確保のために選択制確定拠出年金を導入する等、今までの退職金制度でない新しい制度を会社に設けることも大きな武器になるでしょう。

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平成25年就労条件総合調査結果の概況

退職給付(一時金・年金)制度

 

(1) 退職給付(一時金・年金)制度の有無及び形態

退職給付(一時金・年金)制度がある企業割合は、75.5%で、企業規模別にみると、1,000人以上が93.6%、300~999人が89.4%、100~299人が82.0%、30~99人が72.0%と規模が大きいほど退職給付(一時金・年金)制度がある企業割合が高くなっている。
これを産業別にみると、電気・ガス・熱供給・水道業が96.3%と最も高く、次いで建設業が91.5%、鉱業,採石業,砂利採取業が91.0%となっている。
退職給付(一時金・年金)制度がある企業について、制度の形態別にみると、「退職一時金制度のみ」が65.8%、「両制度併用」が22.6%、「退職年金制度のみ」が11.6%となっている。(第20表)

(2) 退職一時金制度

ア 退職一時金制度の支払準備形態

退職一時金制度がある企業について支払準備形態(複数回答)をみると、「社内準備」が64.5%と最も高く、次いで「中小企業退職金共済制度」が46.5%、「特定退職金共済制度」が7.5%、「その他」が3.9%となっている(第21表)。

イ 算定基礎額の種類

退職一時金制度がある企業で、支払準備形態に社内準備を採用している企業について、算定基礎額の種類(複数回答)をみると、算定基礎額を「退職時の賃金」とする企業割合が55.6%、「別に定める金額」が44.6%となっている。
算定基礎額を「退職時の賃金」とする企業について、その内容別にみると「すべての基本給」が33.9%、「一部の基本給」が21.6%となっている。
算定基礎額を「別に定める金額」とする場合の方式(複数回答)をみると、「点数(ポイント制)方式」が19.0%と最も高くなっており、次いで「別テーブル方式」が14.6%、「定額方式」が7.8%となっている。(第22表)

ウ 保全措置

退職一時金制度のみの企業のうち、支払準備形態が社内準備のみの企業について、保全措置の有無をみると、保全措置を講じている企業割合は16.7%となっている。
保全措置を講じていない企業は83.3%となっており、うち保全措置を講じないことについて労使協定を締結している企業割合は、2.3%となっている。(第23表)

(3) 退職年金制度

退職年金制度がある企業について支払準備形態(複数回答)をみると、厚生年金基金が44.8%、確定拠出年金(企業型)が35.9%となっている(第24表)。

厚生労働省HPより