部下との面談で何を話しますか?

あなたの事業所で、管理職と部下のコミュニケーションの場は、どれぐらいあるでしょうか。

目標管理面談にキャリア面談、最近では1on1ミーティングも注目されています。

組織活性化のため、従業員のモチベーション向上のため、上司と部下の縦のラインのコミュニケーションは重要です。

しかし、評価など目的が明確な面談はまだしも、中長期的なキャリア形成や育成のための面談となると「一体なにを話したら?」「こちらは一生懸命でも部下の口が重い…」といった悩みを抱える管理職もいるのではないでしょうか。そんな時のために、「4つのL」をご紹介します。

ハンセンの「4L」とは?

ミネソタ大学のサニー・ハンセンは、キャリアを仕事だけではなく人生全体で捉える「統合的人生設計」を提唱しましたが、その考え方の1つに「4L」があります。これは「愛(Love)」「労働(Labor)」「学習(Learning)」「余暇(Leisure)」のことで、人生における役割を表現したものです。

この4Lを円グラフにして、「今の自分」と「理想の自分」の2つを書いてもらうと、そのバランスは人によって、あるいは同じ人でも人生のタイミングによって、大きく異なってくるでしょう。

そして、「そこにギャップがあるのか」「それを理想の形に近づけるにはどうしたら?」ということを考え、言葉にしてもらいます。

これによって、改めて自分自身への気づきがおこるとともに、仕事への向き合い方、今後のキャリアの積み上げ方について考えを深めていくことができ、モチベーションの向上にもつながっていきます。

この時大切なことは、この4Lに対して、上司が批評や指導をすることは、絶対に避けなければなりません。

これは、部下自身が「自分にとって仕事とは何か?」を改めて考えるためのきっかけにするものです。

上司に必要なのは、部下が考えを自律的に進めていけるよう、相手を肯定しながら積極的に聴く傾聴の姿勢で、4Ⅼの内容にこだわる必要はありません。

「4つのLって知ってる?」そんな言葉が社内で聞かれるようになったら、ちょっと会社の雰囲気も変わってくるかもしれませんね。

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サニー・ハンセンはカウンセリング心理学を専門とし、キャリア発達の理論、ジェンダーの役割の理論、多文化理論など幅広い分野において研究をしながら、統合的な理論構築を試みました。その主要概念として「統合的人生設計(Integrative Life Planning)」が知られています。これは、生命、文化、ジェンダー、コミュニティなど個人に関わることとキャリアを連携させ包括的に捉えるアプローチで、ここに生活上の役割として4Lが含まれます。
(参考 渡辺三枝子(2018)『新版キャリアの心理学』)

本来は、理論を深く理解したうえで、キャリア形成のためのワークショップなどで使われますが、今回は、話の糸口として使えるようにご紹介しました。そのため、面談ではこの4Lの内容に深入りしすぎず、あくまでも仕事に向き合う姿勢を知る、今後の希望を把握するためのとっかかりとして使うことに留意が必要です。