ラインによるケアと忙しい管理職

企業におけるメンタルヘルス対策の一つに、管理監督者が行う「ラインによるケア」があります。これは、働く人が自身のこころの不調に対応できないでいる時、管理監督者の「気づき」から始まります。

たとえば、部下の様子を見ていて、「元気がなさそうだな」と気づくことです。以前と比べて遅刻が増えているとか、服装に乱れがあるとか、言動などの変化からわかることもあります。この「いつもと違う」というところに、早く気付くことが大切になります。

しかし、管理監督者には、業務のマネジメントや部下の評価など求められることが非常に多くあります。プレイングマネージャーの場合は、部下のケアまでなかなか時間が取れないということもあるでしょう。リモートワークが推奨されている環境下では、様子を見ることが難しくもあります。

 

ケアの工夫と、コロナ禍における実践例

ではどうしたらよいのでしょうか。3月に実施された「令和2年度職場のメンタルヘルスシンポジウム」は、ラインによるケアの実践をテーマに行われました。視聴動画がポータルサイト「こころの耳」で公開されています。(令和2年度「ラインによるケアの実践」|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト (mhlw.go.jp)

専門家による解説では、「ラインによるケア」を効果的に行うには、「管理監督者の経験と知恵」を活かした良いサイクルをつくること、そのための研修の実施方法について、知ることができます。

企業からの実践報告では、管理監督者が実際に行っている事例や、コロナ禍での取組を聞くことができます。たとえば、リモートワークでも部下が相談しやすいように、「あらかじめ対応可能な時間や方法を伝えておく」ことで、コミュニケーションの向上を図っているといった、現場の工夫です。

コロナ禍においては、既存の知識や対策だけでは対応できないこともあります。社員の声に耳を傾け、社員の状況をよく把握すること。現場の工夫を吸い上げ、広く共有していくことが、大切なようです。

 

※株式会社エムエムアイが運営する当事務所所属のデイリーコラムより抜粋。所属士業の先生方が執筆しています。(リンク)

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厚生労働省サイトより

「令和2年度職場のメンタルヘルスシンポジウム~ラインによるケアの実践~」をオンラインで公開します (mhlw.go.jp)

 

<シンポジウムプログラム>
1 基調講演
「ラインによるケアの実践~管理監督者が取り組みやすくなる工夫~」桜美林大学リベラルアーツ学群 教授 種市 康太郎 氏

2 事例発表(メンタルヘルス対策に取り組んでいる企業からの実践報告)

オムロンエキスパートリンク株式会社
株式会社商船三井
株式会社エクサ
3 パネルディスカッション
「ラインによるケアの効果的な実施に向けて」

企業におけるメンタルヘルス対策には4つのケアがあります。

①セルフケア

②ライン(管理監督者)によるケア

③事業場内産業保健スタッフ(産業医など)等によるケア

④事業場外資源(外部専門機関など)によるケア

このうち②のラインによるケアは、早期対応につながる重要なケアですが、管理監督者の繁忙な状況などから、実際の対策の難しさなどが現場の声としてもあります。

このシンポジウムでは、その点を踏まえ、またコロナ禍における工夫についても、実践的な内容での解説、報告がされています。