昨年9月、河野太郎行革相の呼びかけで始まった押印廃止の議論。今回の税制改正にも盛り込まれました。納税分野でもデジタル化・ペーパーレス化を進めるほか、スマートフォンの納税用アプリにより納税できる仕組みが導入されます。

税務関係書類の原則押印廃止

令和3年4月より、確定申告書や扶養控除等申告書などの書類の押印が不要となります。ただし、相続税の申告書に添付する遺産分割協議書(写し)など印鑑証明書を求めるものは例外として、今後も押印を求めることとしています。

改正前改正後
押印は義務原則:廃止

(実印や印鑑証明が必要なものは例外)

地方税関係書類についても、同様に改正される予定です。

電子帳簿等保存制度の見直し

経理の電子化による生産性の向上、テレワークの推進、クラウド会計ソフト等の活用による記帳水準の向上に資するため、帳簿書類を電子的に保存する際の手続が抜本的に見直されます。

スキャナ保存制度については、ペーパーレス化を進めるため、手続・要件が大幅に緩和されます。

〈電子データ保存の要件〉

改正前改正後
①税務署へ事前承認

②定期検査

廃止

スマホ納税用アプリでの納税導入

申告納税の国税について納税用アプリで納税する仕組みが導入されます(令和4年1月導入目標)。納税額の上限は30万円。国が納付手数料を負担する形となりそうです。

地方税共通納税システムの対象税目の拡大

地方税共通納税システムの対象税目について、固定資産税、都市計画税などを追加し、eLTAXを通じ電子納付できるようになります(複数の自治体に一括納税が可能)。

個人住民税の特別徴収税額通知の電子化

特別徴収税額通知(納税義務者用)について希望があった場合、eLTAX・特別徴収義務者を通じ、電子的に送付する仕組みが導入されます。

 

※株式会社エムエムアイが運営する当事務所所属のデイリーコラムより抜粋。所属士業の先生方が執筆しています。(リンク)

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令和3年度税制改正の大綱:財務省

(令和2年12月21日閣議決定) リンク先

七 納税環境整備

1 税卯関係書類における押印義務の見直し

(国税)(P95~)

提出者等の押印をしなければならないこととされている税務関係書類について、次に掲げる税務関係書類を除き、押印を要しないこととするほか、所要の措置を講ずる。

(1)担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類

(2)相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類

(注1)国税犯則調査手続における質問調書等への押印については、刑事訴訟手続に準じた取扱いとする。

(注2)上記の改正は、令和3年4月1日以後に提出する税務関係書類について適用する。

(注3)上記の改正の趣旨を踏まえ、押印を要しないこととする税務関係書類については、施行日前においても、運用上、押印がなくとも改めて求めないこととする。

2 電子帳簿等保存制度の見直し(P96~)

(1)国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度について、次の見直しを行う。

① 承認制度を廃止する。

② 国税関係帳簿書類(国税関係帳簿については、正規の簿記の原則に従って記録されるものに限る。②において同じ。)について、自己が一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、次に掲げる要件に従って、その国税関係帳簿書類に係る電磁的記録の保存を行うことができることとする。

イ 電子計算機処理システムの概要書その他一定の書類の備付けを行うこと。

ロ 電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書等を備え付け、ディスプレイの画面等に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができること。

ハ 国税庁等の当該職員の質問検査権に基づくその国税関係帳簿書類に係る電磁的記録のダウンロードの求めがある場合には、これに応じることとすること。

  

  

③ 上記②イ及びロの要件、現行の訂正等履歴要件及び

相互関連性要件並びに下記(2)④の見直し後と同様の検索要件の全てを満たして一定の国税関係帳簿に係る電磁的記録の保存等を行う者(その旨の届出書をあらかじめ提出した者に限る。)のその電磁的記録に記録された事項に関し所得税、法人税又は消費税に係る修正申告又は更正があった場合(申告漏れについて、隠蔽し、又は仮装された事実がある場合を除く。)には、その記録された事項に関し生じた申告漏れに課される過少申告加算税の額については、通常課される過少申告加算税の額から当該申告漏れに係る所得税、法人税又は消費税の5%に相当する金額を控除した金額とする。

(注)上記の「一定の国税関係帳簿」とは、所得税若しくは法人税の青色申告者が保存しなければならないこととされる仕訳帳、総勘定元帳その他必要な帳簿又は消費税の事業者が保存しなければならないこととされる帳簿をいう。

④ 上記の改正に伴い、所得税の青色申告特別控除の控除額65万円の適用要件について、仕訳帳及び総勘定元帳につき国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度の要件を満たす電磁的記録の保存等を行っていることを、仕訳帳及び総勘定元帳につき上記③の要件を満たす電磁的記録の保存等を行っていることとするほか、所要の措置を講ずる。

(2)国税関係書類に係るスキャナ保存制度について、次の見直しを行う。

① 承認制度を廃止する。

② タイムスタンプ要件について、付与期間(現行:3日以内)を記録事項の入力期間(最長約2月以内)と同様とするとともに、受領者等がスキャナで読み取る際に行う国税関係書類への自署を不要とするほか、電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含む。)において、その電磁的記録の保存を行うことをもって、タイムスタンプの付与に代えることができることとする。

(以下省略)