改正消費税法の新通達

法改正に合わせた新通達によると、家屋の賃貸借契約の用途欄が「居住用と事業用」の場合は「用途不明」扱いとし、実態把握を必要とし、その結果、居住供用が明瞭なら、消費税非課税取引になります。

さらに、新通達は、住居利用の有無を主に「賃貸人が把握」しているかどうかに委ねています。賃貸人には日常的に室内利用を観察する権利などありませんので、明らかにこれは行き過ぎの判定規定です。

新通達の判定基準への疑問

契約書が住居利用専用以外の場合は、住居以外に利用することが契約違反になるわけではないので、賃貸人には住居利用の有無を知るべき義務も必要性もリスクもないかもしれません。よって、賃貸人が利用実態を把握しているか否かを、判定の要素にするのは、前提を無視したものになっていると言えます。

契約書で「居住用と事業用」としている以上、非住居利用は前提になっていることで、その利用実態を賃貸人が把握していなかったとしても、それが「居住の用に供されていることが明らかな場合」に該当する、と勝手に通達が決められるものなのか、疑問です。

テレワークの普及

現在のコロナ禍の中での急速なテレワークの普及で、大きなマンションの、ロビーのような共有スペースが、テレワーク作業の場に化して、マンション管理組合に苦情が寄せられたりしています。

また、日税連の会長コメントでテレワークの導入を推進するとし、税理士事務所のメンバーが自宅で業務をしても税理士法に抵触しないとされました。

テレワークが当り前になると、居宅使用と業務使用との境界が普遍的になくなることになり、居宅の賃貸契約でテレワーク禁止とするわけにもいかないだろうから、賃貸契約の使用目的欄が「居住と事業」とするのが普通のことになるかもしれません。

インボイス導入までの話です

なお、インボイス制度が導入されたら、インボイスを挟んで課税売上と課税仕入が形式的に対置するので、インボイスのある取引か、ない取引かに分別され、事実認定・状況判定などというものは基本的になくなるように思われます。

※株式会社エムエムアイが運営する当事務所所属のデイリーコラムより抜粋。所属士業の先生方が執筆しています。(リンク)

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消費税法基本通達

6-13-10 貸付けに係る用途が明らかにされていない場合の意義(新設)

法別表第一第13号《住宅の貸付け》に規定する「当該契約において当該貸付けに係る用途が明らかにされていない場合」には、例えば、住宅の貸付けに係る契約において、住宅を居住用又は事業用どちらでも使用することができることとされている場合が含まれるのであるから留意する。

6-13-11 貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかな場合の意義(新設)

法別表第一第13号《住宅の貸付け》に規定する「当該契約において当該貸付けに係る用途が明らかにされていない場合に当該貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかな場合」とは、住宅の貸付けに係る契約において当該貸付けに係る用途が明らかにされていない場合に当該貸付けに係る賃借人や住宅の状況その他の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかな場合をいうのであるから、例えば、住宅を賃貸する場合において、次に掲げるような場合が該当する。

  • 住宅の賃借人が個人であって、当該住宅が人の居住の用に供されていないことを賃貸人が把握していない場合
  • 住宅の賃借人が当該住宅を第三者に転貸している場合であって、当該賃借人と入居者である転借人との間の契約において人の居住の用に供することが明らかにされている場合
  • 住宅の賃借人が当該住宅を第三者に転貸している場合であって、当該賃借人と入居者である転借人との間の契約において貸付けに係る用途が明らかにされていないが、当該転借人が個人であって、当該住宅が人の居住の用に供されていないことを賃貸人が把握していない場合

 

緊急事態宣言の発令について(会長コメント)

2020年4月8日お知らせ

日本税理士会連合会

会長 神津 信一

新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、緊急事態宣言が発令され、本日、発効いたしました。

これに先立ち、政府は、我が国経済に未曾有の危機が訪れている状況下において、過去最大となる事業規模108兆円の緊急経済対策を決定いたしました。このほかにも、既に、柔軟な税務上の取扱いや金融・雇用面での事業者支援策等を相次いで打ち出しております。これらの施策を熟知し、手続面等で活用に苦しむ事業者等に導入を勧め、救うことが、今、税理士に求められている役割であります。

税理士事務所は、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく各自治体の行動計画等において、使用制限の要請の対象とはなりません。しかしながら、こうした役割を果たしていく際には、感染リスクが高い状況を回避するとともに、政府が要請しているテレワークを極力導入することが求められます。そこで本会では、会員向けに、現行税理士法を前提とした「税理士の業務におけるテレワークの指針」を近日中に公表する予定としております。特に緊急事態宣言の対象となっている地域において、より強力にテレワークの導入を推進してまいります。

我々税理士は、こうした社会からの要請に応えるためにも、感染防止策の徹底を図りつつ、税理士法第1条の使命に則って納税義務の適正な実現を図るとともに、納税者の皆様、そして中小・小規模事業者の方々を全力で支えてまいります。