マスク購入費用は医療費控除の対象?

国税庁は、新型コロナウイルス感染症に関して、申告や納税などの税務上の取扱いに関するFAQを令和2年3月から公開していますが、現在も更新を続けており、横断的にきめ細かな説明をしています。

今年の確定申告で、医療費控除を申告する方の中には「マスクの購入費用は医療費控除の対象になるのか」と疑問に思った方もいらっしゃるかと思いますが、この問いに関してはFAQの中で「No」という回答を出しています。

 

医療費控除の定義

医療費控除の対象となる医療費は、

  1. 医師等による診療や治療のために支払った費用
  2. 治療や療養に必要な医薬品の購入費用

と定義されています。

マスクの購入費用については「病気の感染予防を目的に着用するもの」であるから、治療や療養のための費用ではないため、医療費控除の対象にはならないのです。

 

オンライン診療の諸費用は?

オンライン診療に係る費用についても回答があります。オンライン診療料やオンラインシステム利用料については、「診療に直接必要な費用に該当する」ので、医療費控除の対象になります。

ただし、「医薬品の配送料」については、治療に必要な医薬品の購入費用に該当しないので、医療費控除の対象になりません。

 

PCR検査費用は?

医師の判断によりPCR検査を受けた場合、この費用は医療費控除の対象になります。ただし、医療費控除の対象は自己負担部分に限られ、現状、医師の判断によるPCR検査は原則公費負担によって行われるため、このケースで医療費控除の対象になる費用が出ることは非常にまれです。

「感染していないことを明らかにするためのPCR検査」等、自己の判断で受けた検査費用に関しては、医療費控除の対象となりません。ただし、検査の結果「陽性」であることが判明し、引き続き治療を行う場合には、その検査は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができるので、医療費控除の対象となります。

 

※株式会社エムエムアイが運営する当事務所所属のデイリーコラムより抜粋。所属士業の先生方が執筆しています。(リンク)

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国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税など当面の税務上の取扱いに関するFAQ

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/pdf/faq.pdf

 

問12.《マスク購入費用の医療費控除の適用について》〔令和2年10月23日追加〕

私は、新型コロナウイルス感染症を予防するために、マスクを購入しましたが、この購入費用は、確定申告において医療費控除の対象となりますか。

 

〇医療費控除の対象となる医療費は、

①医師等による診療や治療のために支払った費用

②治療や療養に必要な医薬品の購入費用などとされています(所得税法73条2項、所得税法施行令207条1項)。

〇ご質問のマスクについては、病気の感染予防を目的に着用するものであり、その購入費用はこれら①②のいずれの費用にも該当しないため、医療費控除の対象となりません。

※健康維持を目的とするビタミン剤の購入費用など病気の予防のための費用も医療費控除の対象となりません。

 

問12-2.《PCR検査費用の医療費控除の適用について》〔令和2年10月23日追加〕

私は、先日、新型コロナウイルス感染症のPCR検査を受けましたが、この検査費用は確定申告において医療費控除の対象となりますか。

 

【①:医師等の判断によりPCR検査を受けた場合】

〇新型コロナウイルス感染症にかかっている疑いのある方に対して行うPCR検査など、医師等の判断により受けたPCR検査の検査費用は、上記の費用に該当するため、医療費控除の対象となります。

〇ただし、医療費控除の対象となる金額は、自己負担部分に限りますので、公費負担により行われる部分の金額については、医療費控除の対象とはなりません。

【②:上記①以外の場合(自己の判断によりPCR検査を受けた場合)】

〇単に感染していないことを明らかにする目的で受けるPCR検査など、自己の判断により受けたPCR検査の検査費用は、上記のいずれの費用にも該当しないため、医療費控除の対象となりません。

〇ただし、PCR検査の結果、「陽性」であることが判明し、引き続き治療を行った場合には、その検査は、治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、その場合の検査費用については、医療費控除の対象となります(所得税基本通達73-4参照)。

 

国税庁質疑応答事例 人間ドックの費用

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/05/09.htm

いわゆる人間ドックその他の健康診断は疾病の治療を伴うものではないので、その人間ドック等の費用は、医療費控除の対象とはなりません。

ただし、健康診断の結果、重大な疾病が発見され、引き続きその疾病の治療を行った場合には、その健康診断は、治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、その健康診断のための費用も、医療費控除の対象に含まれます(所得税基本通達73-4)。