死亡月の給与は支給期で判定

あまり起きて欲しくないことですが、現役の会社員が亡くなった場合、給与の取扱いについては少し注意が必要です。

死亡した方の給与は、生前働いていた期間で日割りして算出しますが、「支給期」の前に亡くなっている場合は、その月以降の給与に関しては相続税の課税対象となり、所得税は課税されないため、源泉徴収は行いません。また、死亡した人の年末調整は死亡時に行いますが、源泉徴収しないということは、源泉徴収票の支払金額に含めないということですから、その点にも注意が必要です。

 

「支給期」は「支払日」のこと

「支給期」という言葉は聞きなれないので「給与の締め日」と思われがちですが、「給与の締め日」のことではないので注意しましょう。「支給期」とは「給与所得の収入金額の収入すべき時期」のことで、「契約又は慣習その他株主総会の決議等により支給日が定められている給与等についてはその支給日、その日が定められていないものについては実際にその支給を受けた日」と定められており、要は「支給日」のことです。

また、資金繰りやその他の理由で、定められた支給期(=支給日)に給与が支払われず、遅滞した給与が支払われる前に死亡した場合は、その当月の支払い分は給与所得となりますので、給与所得の源泉徴収票に含めて記載する必要があります。

 

社会保険料の扱いは?

社会保険料は所得税の扱いとは異なり、翌月末日が支払い期限で、「月末時点に在籍していればその月の社会保険料がかかる」という仕組みなので、当月締め・翌月払いの給与体系の場合は、死亡のタイミングにもよりますが、死亡後の給与からも天引きする場合もありますから、注意が必要です。

なお、雇用保険料は日割り計算です。社会保険料と混同しないように気をつけましょう。

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国税庁 死亡後に支給期が到来する給与
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hotei/7/05.htm
【照会要旨】
当社の役員Aは、3月15日に死亡しました。当社の給与支給日は、毎月25日のため、同年3月25日にAに対する3月分の役員報酬50万円をAの妻に支払いました。
この報酬は、「給与所得の源泉徴収票」の「支払金額」欄に含める必要はありますか。
【回答要旨】
死亡した者に係る給与等で、その死亡後に支給期の到来するものについては、本来の相続財産として、相続税の課税対象となるため、「給与所得の源泉徴収票」の「支払金額」欄に含める必要はありません。
なお、死亡時までに支給期の到来している給与等については、「給与所得の源泉徴収票」の「支払金額」欄に含める必要があります(この分も含め、年末調整を行います。)。

所得税法基本通達36-9 (給与所得の収入金額の収入すべき時期)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/01.htm#a36-9
給与所得の収入金額の収入すべき時期は、それぞれ次に掲げる日によるものとする。(昭63直法6-1、直所3-1、平19課法9-1、課審4-11改正)
(1) 契約又は慣習その他株主総会の決議等により支給日が定められている給与等(次の(2)に掲げるものを除く。)についてはその支給日、その日が定められていないものについてはその支給を受けた日
(2) 役員に対する賞与のうち、株主総会の決議等によりその算定の基礎となる利益に関する指標の数値が確定し支給金額が定められるものその他利益を基礎として支給金額が定められるものについては、その決議等があった日。ただし、その決議等が支給する金額の総額だけを定めるにとどまり、各人ごとの具体的な支給金額を定めていない場合には、各人ごとの支給金額が具体的に定められた日
(3) 給与規程の改訂が既往にさかのぼって実施されたため既往の期間に対応して支払われる新旧給与の差額に相当する給与等で、その支給日が定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについてはその改訂の効力が生じた日
(4) いわゆる認定賞与とされる給与等で、その支給日があらかじめ定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについては現実にその支給を受けた日(その日が明らかでない場合には、その支給が行われたと認められる事業年度の終了の日)

スモビバ! 従業員の社会保険料計算、給与天引きのタイミング(抜粋)
https://www.sumoviva.jp/trend-tips/20190415_1692.html
社会保険料については、いつからいつまで社会保険料がかかるのかということを理解しましょう。重要なポイントは、「月末に加入者であれば、その月の社会保険料がかかる」ということです。
雇用保険料は毎月給与から天引きしますが、その納付は、年に1回、1年分の給与を集計して決められた保険料率を乗じて保険料を計算します。
この集計する給与には、入退社の日によって給与を日割りしたような場合には、日割りした金額そのままで集計すればよいので、給与天引きする金額も、日割りした金額をベースに計算すればよいということになります。