男性の育休取得を促す改正

男性も子育てのための休みを取りやすくする改正育児・介護休業法が創設されました。男性も子供の出生後8週間以内に4週間迄2回に分けて「産休」を取得でき、企業には対象社員に取得を働きかけるような義務付けがあります(2022年秋施行予定)。

この流れは拡大することはあっても縮小されることはないでしょう。男性だけが長時間働き、女性が家事育児中心というスタイルは少子高齢化で働き手が減る中、女性の労働力が重要であり男女ともに働けるライフスタイルに変化していくでしょう。

男性の育休を阻むもの

日本の男性の育休取得が進まないのは、制度があっても職場の慣習から取得にためらう人が多いということです。法改正をしても取得を進める上で根本的な問題は別のところにあります。マイボイスコムの調査では「休業中の給与の100%補償」(54.8%)、「育児休業取得に否定的な上司や同僚の意識改革」(41.2%)、「育休取得がキャリアに不利にならないという安心感」(40.1%)とする回答が多くありました。男性自身、職場の無理解が取得の壁と感じていることが浮かび上がりました。

男女ともに子育てしやすい環境に

日本は先進国の中でも男性の家事・育児参加が少なく少子化の要因とも指摘されています。今回の改正で出生直後に女性の身体的・精神的負担を軽減できる意義は大きいと言えるでしょう。継続的な男性の育児参加が女性に偏りがちな子育てを分担することで女性の就労継続ともなるでしょう。

一方で企業の労務管理などは複雑になる面もあります。企業も労働時間だけでなく中身で評価したり、キャリアアップのルートが複数あったり働く時間や場所を柔軟にしたりと対応が必要な時代となるでしょう。

今、コロナウィルス危機で世界的に出生率は急減しており各国の成長に陰りが見えます。出生率の低下が将来の労働力減少で経済成長力を押し下げるため欧米や中国・韓国等でも育児支援に力を入れています。日本ではようやく「子ども庁」創設論が出てきたところです。

 

※株式会社エムエムアイが運営する当事務所所属のデイリーコラムより抜粋。所属士業の先生方が執筆しています。(リンク)

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育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の 一部を改正する法律の概要(令和3年法律第58号、令和3年6月9日公布)

 

改正の趣旨

出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女ともに仕事と育児等を両立できるようにするため、子の出生直後の時 期における柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び労働者に対する個別の周知・意向確認 の措置の義務付け、育児休業給付に関する所要の規定の整備等の措置を講ずる。

改正の概要

1 男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設 【育児・介護休業法】 子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みを創設する。 ①休業の申出期限については、原則休業の2週間前までとする。 ※現行の育児休業(1か月前)よりも短縮 ②分割して取得できる回数は、2回とする。 ③労使協定を締結している場合に、労働者と事業主の個別合意により、事前に調整した上で休業中に就業することを可能とする。 2 育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け ①育児休業の申出・取得を円滑にするための雇用環境の整備に関する措置 ②妊娠・出産(本人又は配偶者)の申出をした労働者に対して事業主から個別の制度周知及び休業の取得意向の確認のための措置 を講ずることを事業主に義務付ける。 3 育児休業の分割取得 育児休業(1の休業を除く。)について、分割して2回まで取得することを可能とする。 4 育児休業の取得の状況の公表の義務付け 常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業の取得の状況について公表を義務付ける。 5 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和 有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件を廃止 する。ただし、労使協定を締結した場合には、無期雇用労働者と同様に、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者を対象から除外 することを可能とする。 6 育児休業給付に関する所要の規定の整備 【雇用保険法】 ①1及び3の改正を踏まえ、育児休業給付についても所要の規定を整備する。 ②出産日のタイミングによって受給要件を満たさなくなるケースを解消するため、被保険者期間の計算の起算点に関する特例を設ける。

施行期日

・2及び5:令和4年4月1日 ・1、3及び6:公布日から1年6月を超えない範囲内で政令で定める日(ただし、6②については公布日から3月を超えない範囲内で政令で定める日) ・4:令和5年4月1日

 

厚生労働省 HPより