相互に確認し合うための届出書

消費税の届出書の中には、課税関係に影響のない、納税者と税務署とが相互に確認し合うためだけに提出が要求されているものがあります。

消費税課税事業者届出書(基準期間用)、消費税課税事業者届出書(特定期間用)、消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書、消費税の新設法人に該当する旨の届出書、高額特定資産の取得に係る課税事業者である旨の届出書、などがそれです。

分かりきったものの提出を求める形式論か

これらの届出書による税務署との相互確認の内容は、消費税の申告書の提出義務者に該当することになった、あるいは、消費税の申告書の提出義務者に該当しないことになった、という事実についてです。

消費税申告書記載の課税売上高が1000万円以下だったら、課税事業者選択でもない限り、翌々年は免税事業者になり、納税義務者でなくなるはずだ、そんな分かりきった届出など必要ないではないか、との意見も出そうです。

税務署には情報がないため

消費税の新設法人に該当する旨の届出書については、通達で、法人設立届で所要の事項の記載があれば、それだけでよし、としています。したがって、形式論で要求しているのではなく、事実の正確な把握には、税務署の持つ情報だけでは、必ずしも確定的な結論が得られるとは限らないので、情報を有している納税者に判断を求めている、ということ、と考えられます。

基準期間課税売上高が1000万円以下でも、高額特定資産の取得をしたとか、前期間の前半で1000万円超の課税売上があったとかで、免税事業者非該当となることもあり、これらは税務署にない情報です。

免税事業者が還付申告

消費税還付申告をした後、還付保留状態で税務調査があり、当該課税期間は課税事業者に該当しないので還付申告ができない旨の指摘を受けたものの、還付申告は受理されたまま修正申告書の提出を慫慂され、過少申告加算税が賦課された、という事例があります。

税務署サイドも、納税義務があるかの如く、消費税の納税申告書を送って来ていた、のかもしれません。当局の対応の是非はともかく、形式的な手続きながら、疎かにしていると火傷する、という事例です。

※株式会社エムエムアイが運営する当事務所所属のデイリーコラムより抜粋。所属士業の先生方が執筆しています。(リンク)

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No.6629 消費税の各種届出書
〇消費税課税事業者届出書(基準期間用)(第3-(1)号様式)・・・・基準期間における課税売上高が1,000万円超となったとき 事由が生じた場合速やかに
〇消費税課税事業者届出書(特定期間用)(第3-(2)号様式) ・・・・特定期間における課税売上高が1,000万円超となったとき(注1) 事由が生じた場合速やかに
〇消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書(第5号様式) ・・・・基準期間における課税売上高が1,000万円以下となったとき 事由が生じた場合速やかに
〇消費税簡易課税制度選択届出書(第24号様式)・・・・簡易課税制度を選択しようとするとき、適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで
〇消費税簡易課税制度選択不適用届出書(第25号様式) ・・・・簡易課税制度の選択をやめようとするとき、適用をやめようとする課税期間の初日の前日まで
〇消費税課税事業者選択届出書(第1号様式) ・・・・免税事業者が課税事業者になることを選択しようとするとき 選択しようとする課税期間の初日の前日まで
〇消費税課税事業者選択不適用届出書(第2号様式) ・・・・課税事業者を選択していた事業者が免税事業者に戻ろうとするとき、選択をやめようとする課税期間の初日の前日まで
〇消費税課税期間特例選択・変更届出書(第13号様式) ・・・・課税期間の特例を選択又は変更しようとするとき 適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで
〇消費税課税期間特例選択不適用届出書(第14号様式) ・・・・課税期間の特例の適用をやめようとするとき(注5) 適用をやめようとする課税期間の初日の前日まで
〇消費税の新設法人に該当する旨の届出書(第10-(2)号様式) ・・・・消費税の新設法人に該当することとなったとき 事由が生じた場合速やかに、ただし、所要の事項を記載した法人設立届出書の提出があった場合は提出不要
〇高額特定資産の取得に係る課税事業者である旨の届出書(第5-(2)号様式) ・・・・高額特定資産の仕入れ等を行ったことにより、基準期間の課税売上が1000万円以下となった課税期間にも課税事業者となるとき 事由が生じた場合速やかに
〇任意の中間申告書を提出する旨の届出書(第26-(2)号様式) ・・・・任意の中間申告制度を適用しようとするとき、適用を受けようとする6月中間申告対象期間の末日まで
〇任意の中間申告書を提出することの取りやめ届出書(第26-(3)号様式)・・・・任意の中間申告制度の適用をやめようとするとき、適用をやめようとする6月中間申告対象期間の末日まで

消費税裁決 J84-1-02
(過少申告加算税) 還付申告書の提出による還付金を受け取っていない場合であっても、修正申告により還付金の額に相当する税額が減少する場合は過少申告加算税賦課の対象になるとした事例(平21.5.1~平22.4.30の課税期間の消費税及び地方消費税に係る過少申告加算税の賦課決定処分・棄却・平23-09-30公表裁決) 【国税不服審判所ホームページ】